中小企業に人材育成体系を導入するときに私が特に意識していることは、確実に実行できる体系を作ることです。書籍やインターネットで紹介している理想的な体系は素晴らしいと思いますが、やはり実践して効果がなければ有効な人材育成体系とは言えません。
初めから理想を追い求めると社員の負担も多くなり、場合によっては拒否反応につながる恐れがあるので、人材育成を導入する際は、段階を経て少しずつ、しかし確実に組織に取り込んでいくことが重要になります。
私のコンサルでは下記(①~⑨)の手順で人材育成体系を導入しています。これは人材育成活動を分かりやすくするために、まずは人事評価シートに記載した目標の達成を人材育成活動の中心とする考え方です。そして、目標達成に必要な進捗確認(1on1面談)、教材などのツールを整備しながら総合的な人材育成体系を構築します。
①人材育成のストーリーを作る
②給与・人事評価制度 作成(改定)
③新給与体系の説明会、アンケート
④管理職勉強会
⑤人事評価シートの実施(目標設定)
⑥1on1面談
⑦マニュアル、教材の整備
⑧個別学習(自己啓発)
⑨人事評価シートの実施(評価、集計、来期の目標設定)
それでは、これらについて一つずつ見ていきましょう。
どんなプロジェクトでも「現状把握」から始めて、今の状況をしっかり把握することが重要です。そして、現状把握ができたうえで、その組織に最も適した人材育成体系を考えます。
私は人材育成体系を計画することを「人材育成のストーリーを作る」と表現していますが、これは経営者や人事担当者と、3年後の目指す組織像、10年後の目指す組織像について話し合い、優先順位や人材育成にかかる予算のことなどを検討する作業です。
そして、その結果が上記の②~⑨になるのですが、人材育成活動の中心となるのは、人事評価シートの目標達成を意識して実施する「⑥1on1面談」、「⑦マニュアル、教材の整備」、「⑧個別学習」です。
人材育成のストーリーを考える際は、「誰が何を行うか」ということを明確にすることが重要になります。そして、誰が、というのは役職を意識した人選になることが多いです。
例えば、A部長が1on1面談を行う、B課長は社内研修の講師を務める、C主任は担当している〇〇に関するマニュアルを整備する、という具合です。
このように役職を意識して人材育成のストーリーを考えると、自ずとその役職に課せられた人材育成に関する役割が共有されます。逆の言い方をすれば、部長だったら人材育成についてこの位の役割を担う、課長だったらこの位、といったことが共有されるということです。特にリーダー(管理職社員)にはこの役割について強く認識してほしいです。
役職については、下記の「役職別必要要件の目安」のようなガイドを整備するとよいでしょう。
これは私が給与・人事評価制度作成のコンサルの時に必ず作成するものです。
下記はサンプルです。実際は、しっかりヒアリングしたうえで、その会社の組織に合ったものを作成しています。
人材育成のストーリーは途中で変わっても問題ありません。むしろ、組織体制や企業のビジョンが変わったらそれに合わせて変えるのが自然です。
重要なことは、一度、人材育成のストーリーを作れば、それ以降の変更が容易になるということです。何もない状態から改善するのは困難ですが、一度しっかりとした土台を作り運用すれば改良点も見えてくるはずです。
特に決まった教育体制がない会社で初めて人材育成体系を導入する場合、多くの社員は直感的に「面倒なことが始まった」と感じるようです。
これまでは、自分のペースで分からないことを調べていたのが、1on1面談や個別学習、マニュアルの作成など、人材育成の名のもとで、ある程度強制的に何かをやらなければならないのは、少し面倒なのかもしれません。
しかし、人材育成は、社員のために行うのです。
会社としては、「時間や労力、経費を使って自分たちのために人材育成体系を作ってくれてありがとう!」と思ってもらいたいはずです。このミスマッチを防ぐために、人材育成を業務命令だからやっているという感覚ではなく、人材育成のおかげで成長できて、さらに業績アップ、給与アップにつながるということを感じてもらうことが重要です。
一般的に人は生活(給与)のために働きます。そして当然のことながら給与アップを願います。
給与・人事評価制度は、社員の成長を促し、その結果としての給与改定のガイドとなる経営に不可欠なツールです。
人は夢や未来を常に意識します。それが「今がんばるモチベーション」につながるのです。
給与・人事評価制度の整備は、「会社は社員の皆さんの将来について考えていますよ」というメッセージにもなるのです。
親しい友人から聞いた一例ですが、年俸制度の給与形態で、入社時は同業他社よりも少し高い水準の給与の会社がありました(社員数約30名)。社員の自主性を重んじるとても自由な社風で、決まった人事評価制度はありません。
そして、そこの経営者は口癖のように「儲かったら給与アップするから」と言っていましたが、業績が特に良かった時だけ、わずかな決算賞与が支給されたとのことです。
こんな状況では将来は見えてきません。そして、社員は次々と離職していきました。
30名の組織であれば、大げさな人事評価制度は必要ありませんが、社員のモチベーションを保つためには、その組織に合ったオリジナルの給与・人事評価制度は不可欠です。人事評価制度がないと特に優秀な社員は、将来への不安を感じて離職してしまいます。
中小企業の給与・人事評価制度の作り方については、「人事評価制度の作り方」のサイトで詳しく述べたので参考にしてください。
「人事評価制度の作り方」のサイトはこちら
組織に合った給与・人事評価制度を作成した後は、それを継続的に運用することが重要になります。そのためには、全社員にしっかり理解してもらう必要があります。
まずは、全社員へ新給与・人事評価制度の説明会を行います。そして、説明会の後は個別に疑問点などのアンケートを行います。
すでに給与・人事評価制度が軌道に乗っている場合は、このアンケートから始めます。
アンケートの設問は、次の例を参考にしてください。ポイントは、給与・人事評価制度だけではなく、現在の仕事や人材育成についても書いてもらうことです。
このようなアンケートは社員がどのような考えをもっているかを知るためにとても重要です。
もちろん名前を書いて提出してもらいますが、自由に率直な意見を書いてもらうために、「このアンケートの回答内容は今後の人事評価や給与には一切影響しない」ということを明記してください。
給与・人事評価制度を効果的に運用するためには、管理職社員の協力が重要になります。
管理職社員にはチーム内の人事評価シートのマネジメント(目標設定や評価)という重要な役割を担ってもらいます。そのために管理職社員には誤解がないように人事評価制度に関する勉強会(社内研修)を実施します。
人事評価シートの運用において、いつ何を行うかなどのスケジュールは、人事部が情報発信して、それに従えばよいのですが、目標を考えることや部下の評価をすることは、慣れていないと難しく感じる場合があります。そんな不安を少しでも取り除くために管理職社員への勉強会(社内研修)が重要になります。
ただし、1回の勉強会で適切な(良い)目標を考えることや正しい評価ができるようになることは難しいです。実際は、目標設定と評価の実践を通して、少しずつ上達するものだということも共有したいです。
つまり、目標設定(内容と文言)の書き方や公平な評価(評価者の誤差など)について、定期的に管理職へフィードバックすることが重要になります。
人事評価の精度を上げるポイントは実践と情報共有です。
最初の管理職勉強会の目的は、管理職社員に人事評価制度(特に人事評価シートについて)を理解してもらい、最初は良い目標設定や正しい評価ができなくても、真面目に実施しながら少しずつ上達すればよいと、安心してもらうことです。
給与・人事評価制度が整い、全社員に説明した後は、早速、人事評価シートを実施してもらいます。
期の途中であれば、短い評価期間でも問題ありません。
人材育成体系が整備されていない場合でも、人事評価シートの目標達成を目的とした人材育成活動を開始することはできます。
人材育成は仕事の内容や役割(役職)に応じてさまざまなテーマが考えられますが、これを短期間で整備することは難しいです。そこで、人事評価シートの記載の目標達成を人材育成の最初のステップにするのです。
人事評価シートに記載した目標について、最初に上司と達成のために必要なことなどを話合うことが重要です。例えば、ある目標を6か月後までに達成したいのであれば、今月はこれをやらなければならない、来月はこれ・・・というように、やらなければならないこととそのスケジュールを検討します。これが最初の1on1面談のテーマとなります。
1on1面談はさまざまな目的がありますが、最初は、目標達成のための進捗確認と達成のためのアドバイスを中心に実施します。
上司は部下と1か月に1回以上はこのような1on1面談を行うことが重要です。特に最初のうちは、お互いの時間が許せば、面談の頻度を多くするとよいでしょう。
人材育成体系が完成されていない場合、まずは人事評価シートに書かれた目標を達成することを中心に教育活動を行いますが、部署(チーム)の「業務一覧表」も教育活動の基本となるので早い段階で整備したいです。
例えば次のような一覧表があれば、自分の部署(チーム)の仕事が一目で分かります。そして、自分自身で何が足りないか、そして、学習の優先順位も見えてきます。
人事評価シートと業務一覧表を意識した1on1面談を通して、部下が習得しないといけないこと(足りないこと)などが見えてきます。そして、それが新たな人材育成のテーマになるのです。
例えば、営業職でプレゼンテーション能力が足りない場合は、上手なプレゼンテーションについて教育する必要があります。
教育活動を行う際は、その場限りの指導で済ませてはもったいないです。
人材育成を継続的に行い、会社の財産にするためには、その時の1回だけのためではなく、今後も同じような教育が必要になることを想定して、教え方や必要な教材を標準化することが重要です。つまりマニュアルを作ると言うことです。そして、実践形式での標準化された教育がOJT体系へとつながります。
マニュアル、教材の整備については後述しますが、何の根拠もなくマニュアルを作るのではなく、人事評価シートの目標達成のための1on1面談を経て必要な教育が分かり、その教育のためにマニュアルを作るという考え方です。そして、この繰り返しでさまざまなテーマのマニュアルが整備されていきます。
1on1面談を行うと、必要な教育とその優先順位が見えてきます。
次は、どのような教育(指導)を行えば効率よく成長(理解)するかとういうことを考えます。つまり、学習スタイルです。
ビジネスマンが何かを習得するまでのプロセスは前述しましたが、一般的には次の流れの通りです。
1)テーマの概要と目的を理解する
・テーマの内容とそれを習得する意味を伝える。
2)教育環境を理解する
・教育手段、教材、教育場所、評価(習得度合の確認方法)、スケジュールなどを伝える。
3)具体例で理解を深める
・ケーススタディ、過去の事例などを分かりやすく伝える。
4)実践する
・現場で実際に本人に体験してもらう。実践の場としてOJTの体系を整備する。
5)反省、検討する
・実際に行った後の理解度の確認をする(弱点を上司と共有)。
6)反省、検討を踏まえて再度実施する
・この繰り返しで一つのテーマを習得する。
つまり、何かを教える(習得する)ためには、教材、具体例、実践、反省や振り返り、そしてこれらを行う時間が必要です。
これを上司が中心となって考え、チーム全体で準備、実施するのです。
最初は慣れないかもしれませんが、上記のプロセスを繰り返すと必要な教材も整備されます。そして、何回か実践すると、そのテーマに対する習得(学習)方法がチームの共通理解として定着するでしょう。
この繰り返しによって構築された経験(ノウハウ)や教材などがチーム(会社)の財産になるのです。
最初は上司や一部の人の頑張りによって教育活動を実施した場合でも、そのスタイルを標準化して誰でもできるようにすることが重要です。
次に教材の作り方についてですが、一からマニュアルや手順書、データベースを作るのは大変な作業です。
私もさまざまな中小企業の教材つくりのサポートをしてきましたが、多くの場合、過去に作ったけど今は使っていないものや、ある社員が個人的に作ったものなどがありました。私が一からその組織に必要な教材を作ることはできませんが、すでにあるものを編集したり、分かりやすくブラッシュアップしたりすることはできます。つまり、たたき台を準備すればその先の進行も早くなるということです。
たたき台となるような過去の教材や資料がない場合は、ネットでその業界に必要な教材となり得る情報を見つけることもできます。
教材を効率よく作るためには、白紙の状態から誰かが一から考えるのではなく、在りものを上手に利用することが重要です。
教材は、マニュアル、手順書、過去の事例集、過去の失敗や注意事項をまとめたもの、顧客情報など、テーマによってアウトプットのスタイルが変わります。
エクセル、ワード、PDFや動画などが一般的ですが、重要なことは、一つのテーマに対して関連する教材をすべてリンクさせることです。例えば次のような一覧表を作成するとよいでしょう。
そしてもう一つ言えることは、教材作りに携わった人は、その分野においての知識が増えるだけでなく、何かを簡潔に伝える(表現する)ノウハウが養われます。これは例えば、営業職のプレゼンテーションにも多いに役立ちます。一見面倒な教材作りも、それをなし得た後の自分の成長のことをイメージすれば、率先して教材作りにチャレンジする気になるはずです。
人事評価シートの目標達成を中心とした1on1面談や業務一覧表から自分が習得しないといけないテーマが見えてきます。あるいは、OJTを通して自分の弱点が分かる場合もあります。
自分が習得しないといけないテーマや弱点を克服するためには個別学習が大切になりますが、個別学習の難しさは、本人が教育の必要性を感じて自ら実践しないといけないところです。当然のことながら通常業務が第一優先なので、個別学習の時間も自分で調整する必要があります。
このようなことから、個別学習の計画と進捗管理も1on1面談で上司と共有してください。
「〇〇を習得するためにいつまでに何を行う」ということを面談の時に話します。このとき大切なのは、〇〇を習得するための方法として部下が適切な学習方法を選択しているか上司が確認することです。スタート時点でゴールまでの適切なプロセスをイメージできることが重要です。
仕事で成果を出している人の多くは、学習を日常の一部として取り入れています。つまり、学習を特別のことではなく、日々の日課の一つのように考えているのです。
例えば、営業職のプレゼンテーションをお客様へ商品説明をする「仕事」と考えるのではなく、「学習の場」と考えるのです。まさしくOJTです。
事前に自分に足りないプレゼンテーションスキルを把握して、それを座学(教材、書籍など)で確認、練習をします。プレゼン本番は実践形式の「学習の場」という意識で臨みます。そして、実践の後は、反省や良かった点などを振り返り、次回に生かします。
会社や組織は、成長することを目指しています。成長のためには向上心が必要です。そして、この向上心を満たすのが日々の学習です。
学習マインドが定着している人は自ずと、成果を出し、会社の利益に貢献することができるのです。
個別学習には終わりはありません。仕事の内容の変更や役職昇格によるものだけではなく、新しい技術や社会情勢の変化によって必要となる学習もあります。このように考えると、末永く実施する学習は「成長する喜び」と考えて、人生の楽しみの一つと思えるようになるといいですね。
ここまで人事評価シートの目標達成を目的とした1on1面談、教材の整備、そして個別学習について述べました。
人事評価シートは、例えば6か月に一度、評価と振り返りを行います。
6か月間、人事評価シートに記載した目標達成のために頑張った人は、次の目標設定の際、前回(6か月前)よりも確実に成長していることが分かるはずです。そして、次の目標はさらに意味のある目標、分かりやすい目標となるように、目標の中身だけでなく、表現方法(定量的な表現が望ましい)、達成までの見通しや期の最後の振り返りのことなどを意識して書くことでしょう。
最初は本質とは少し外れた目標や具体性に欠ける目標を書いていた人も人事考課シートを継続するにつれて上達していきます。つまり、最初は上手な目標設定や評価が難しくても、焦らずに真面目に取り組んでいくことが重要なのです。
人事評価シートの評価結果の集計は人事部の仕事です。さらに全社員の目標の内容や書き方などをチェックして、フィードバックすることも人事担当者の重要な役割です。
このような情報共有はさまざまなやり方がありますが、シンプルで楽なのが、上手な書き方や適切な内容の目標設定をした人のものをお手本として共有する方法です。
そして、この人事評価シートの実践を中心とした人材育成のゴールは次の3つになります。
人材育成体系を導入するために必要なことは前述の通りですが、重要な鍵となるのは、リーダーの存在です。
人事担当者が人材育成についての知識や経験があり、人材育成の中長期計画を作り、その実施に向けてリーダー的な役割を担えばよいのですが、特に中小企業では、このようなことができる専門家がいる会社は少ないようです。もちろんリーダー役は、人事担当者でなくても、経営者やリーダーシップのある他の部署の管理職社員でもよいのですが、人材育成体系を構築する際は、全体をサポートする役割は不可欠です。
私は外部コンサルタントとして、これまで多くの中小企業の人材育成のサポートをしてきました。
人事評価制度の整備、人事評価シートの実施とサポートから始まり、教材作成やマネジメント研修なども行いますが、私が特に力を入れているのは、リーダーの育成です。
社内に人材育成体系をマネジメントできるリーダーがいれば、外部コンサルに頼ることなく、自社内で人材育成活動ができます。つまり、最小限の経費で済むということです。
このようなリーダーを育成するために、私はリーダー候補となる管理職社員と1on1面談を隔週で行うことから始めます。
最初は各部の業務内容や重要なテーマを把握しながら、まずは信頼してもらえるように努めます。そして、面談を重ねると(約3か月位すると)具体的な悩みや解決したいテーマなどについて明かしてくれるようになります。
私は、その部の業務の専門家ではないので業務に関する悩みや問題解決の「答え」を伝えることはできませんが、問題を整理して、効果的なアプローチ方法を提示して、本人に考えてもらい、本人にベストな行動計画を選んで実行してもらうことはできます。
これはファシリテーションの手法(あるテーマや議論がうまく進行するようにガイドする手法)に基づくものですが、経験を積めば難しいものではありません。私は、各部の上司にリーダーとして上手なファシリテーターになってほしいと考えています。
このスタイルのポイントは、外部のコンサルタントがその会社の一員になった気持ちで各部の業務を把握して上司との信頼関係を築くことにあります。もっとダイレクトに言うと、担当コンサルがその会社を好きになって成長させたいと感じることです。そのためにはある程度、深く関わることが重要になります。
私が行っている1on1面談のスタイルは、勘のいい上司であれば半年もすれば同じようなスタイルで自分の部下に実施することができるようになります。
そして、多くの管理職社員が部下と1on1面談を行い、具体的な教育活動(人事評価、体系立てたOJT、教材の作成、社内研修など)ができるようになれば私の任務は終了になります。
社内に人材育成体系を構築できる人事担当者がいて、各部の管理職社員に1on1面談を中心とした教育を任せられる組織は、上記のほかに有効なOff-JT(外部の研修など)の情報を収集するとよいでしょう。
Off-JTは、習得するべきテーマが決まっている場合は、非常に有効になることがあります。
ネットで「人材育成 研修」などと検索するとたくさんの研修サービスがあることが分かります。
外部の研修サービスを利用するときのポイントは、事前に「何を習得するか」を明確にすることです。つまり、研修後には「〇〇ができるようになる、理解する」と言うように受講者に研修の目的とアウトプットをしっかり理解してもらうことが重要です。その研修を受けて「なんとなく成長した」ではなく「〇〇と××についてできるようになった」と成果が明確になるようにしてください。
理解しないうちに研修が終わってしまわないように、質問や自分で追加のリサーチなどをする必要があるかもしれません。重要なことは研修を受けることが目的ではなく、必要な知識を得ることが目的であることを認識して臨むことです。
人事評価シートに記載した目標の達成、1on1面談、体系立てたOJT、教材やマニュアルの整備、個別学習、社外・社内研修など、自社の人材育成に合った基礎ができたら、これを日常業務の一環として継続することが重要になります。
一度、組織に合った体系が整えば、必要な経費や時間が分かります。つまり、人材育成に必要な予算も安定します。
慣れない内は、外部の専門家(コンサル)に依頼することが効率的ですが、いずれは自社内でしっかり運用することを意識して、人材育成体系が会社の文化となることを目指してください。