人材育成活動を日常業務の一環として身近に感じてもらうために、私のコンサルでは人材育成に関するキャッチコピーを作ることを薦めています。
キャッチコピーを作ることにより、共通の指針を共有する連帯感が生まれます。そして、しっかり定着すると企業文化となり、生産性の向上につながります。
これまで携わった人材育成活動において、さまざまなキャッチコピーをご提案しましたが、特に評判が良いのが「自ら学び、自ら問い、自ら実践する」です。
初心者から上級者まで、これだけ学べばよい(これで完璧)という教育システムを作ることは難しいです。
新入社員の導入教育であれば、定型のスタイルで問題ありませんが、ビジネスにはさまざまな可能性やリスクがあるので全てを網羅することはできません。
特に上級者になれば社内で誰も分からないことや初めて経験する仕事をクリアしないといけないことがあります。そうなると、定型の教育では限界があり、「自ら学び、自ら問い、自ら実践する」ことが重要になってくるのです。
例えば、サッカーの初心者を指導するのであれば、ルールの理解、ボールの基本的な蹴り方、ポジショニングの基本など、ある程度決まった方法で指導すれば間違いありません。しかし、一流のプレーヤーに対する指導となると、個別の課題があったり習得までのベストの練習方法が違ったりするので、定型化した練習よりも本人に合った練習をしたほうが効果的です。そして、それを実施するメンタルも必要になります。つまり、自ら上達したいという意思も重要になってくるということです。
一般的に会社が用意する人材育成体系では、全員が80点をとることを目指します。しかし、100点を目指すのであれば、会社が提供する教育だけではなく、自分に足りないことを自ら気づき、習得するために自ら行動することが必要です。
「自ら学び、自ら問い、自ら実践する」というキャッチコピーは、人材育成の本質を考えて作成しました。御社に合うようでしたら、ぜひお使いください。